保育士の手取りを上げる方法計算の仕組みと現実的な5つのルート

2026年8月18日 公開・キャリア査定AI編集部

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「額面はそこそこなのに、手取りが思ったより少ない」——保育士の給与相談で最も多い声です。手取りを上げるには、まず「額面から何がいくら引かれているのか」の仕組みを知り、そのうえで「増やせる項目」を1つずつ押さえるのが近道です。

この記事では、手取りの計算の仕組みを表で確認したうえで、保育士が手取りを上げる現実的な5つのルートを、制度の根拠とあわせて整理します。

手取りの計算: 額面の約8割が目安

手取り(実際に振り込まれる額)は、額面(基本給+各種手当)から社会保険料と税金を引いた残りです。独身・扶養なしの場合、目安は額面の約8割になります。

額面月給と手取りの目安(独身・扶養なしの概算)

額面月給手取りの目安(約8割)
20万円約16.0万円
22万円約17.6万円
24万円約19.2万円
26万円約20.8万円

「額面×0.8」による概算です。実際の手取りは、社会保険料率(年度・地域で変動)・年齢・扶養状況・住民税(前年の所得で決まる)などにより上下します。賞与月は控除の計算が異なります。

引かれているものの内訳は、おおまかに次のとおりです。

  • 厚生年金保険料: 標準報酬月額の9.15%(労働者負担分)。控除の中で最大の項目です。
  • 健康保険料: 加入する健康保険と地域により料率が異なります(40歳からは介護保険料が加わります)。
  • 雇用保険料: 賃金の1%未満の小さな割合です。
  • 所得税(源泉徴収)と住民税: 住民税は前年の所得に対して課されるため、就職1年目は引かれず、2年目から手取りが下がったように見えるのが典型です。

ここで大事な結論が1つ出ます。社会保険料と税金の仕組み自体は変えられないため、手取りを上げる方法は実質的に「額面を上げる」「税・保険の対象にならない形の補助(社宅など)を使う」「控除を適正化する」の3方向しかない、ということです。以下の5ルートはすべてこのどれかに対応しています。

手取りを上げる現実的な5つのルート

① 処遇改善等加算が自分に届いているか確認する

保育士には、国が賃金を引き上げるための「処遇改善等加算」の仕組みがあります。とくに技能・経験に応じた加算では、研修修了などの要件を満たした副主任保育士等に月額4万円の処遇改善を想定した設計が知られています。令和7年度からは複数の加算が一本化され、施設の判断でより柔軟に配分できる制度へ移行しています。

重要なのは、加算は園(施設)に支払われ、職員への配分は園の計画で決まることです。給与明細に処遇改善関連の手当があるか、なければ基本給への組み込みか、園に確認する価値があります。役職(副主任・専門リーダー等)への道筋が園にあるかどうかも、数年単位の手取りを大きく左右します。

出典: こども家庭庁「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/443197f1-8796-458c-b5c8-27bb782a77d5/0615d05a/20241218_councils_shingikai_kodomo_kosodate_443197f1_09.pdf / 「令和7年度以降の処遇改善等加算について」 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3a1576c7-071d-4325-8be8-edced6d12ee1/e9e424a2/20251006_policies_kokoseido_146.pdf 。要件・配分ルールは年度で見直されるため、最新の公式資料をご確認ください。

② 借り上げ社宅・家賃補助を使う(効果が最大級)

多くの自治体に、保育士向けの宿舎借り上げ支援制度があります。園が借り上げた住宅に低い自己負担で住める仕組みで、家賃そのものが減るため「手取りから出ていくお金」を直接減らせます。仮に家賃負担が月5万円軽くなれば、額面を6万円以上上げたのと同等の効果です(額面増は約2割が保険料・税で消えるため)。補助の有無・上限額は自治体と園により異なるので、いまの園と転職候補の園の両方で確認する価値があります。

③ 自治体独自の補助・貸付制度を確認する

就職準備金の貸付(一定期間の勤務で返還免除になる型)や、自治体独自の給与上乗せ補助を設けている地域があります。同じ保育士でも、働く自治体によって受け取れる支援が変わるため、勤務地の自治体名+「保育士 支援」で公式サイトを確認してみてください。

④ 残業代と持ち帰り仕事の扱いを見直す

行事準備や書類作成の持ち帰りが常態化している場合、本来は労働時間として賃金の対象になり得る時間が無償になっている可能性があります。園内での業務時間の確保やICT化の状況は、実質的な時給を大きく左右します。「額面は同じでも、持ち帰りゼロの園に移ったら実質の手取りが上がった」というのは、よくある構図です。

⑤ 内訳の良い園へ転職する

①〜④を今の園で改善できない場合、転職が最も確実な手段になります。このとき額面の月給だけで比べるのは危険です。次の内訳で比較してください。

  • 基本給がいくらか: 賞与・昇給・残業代の計算基礎。同じ月給22万円でも、基本給18万+手当4万と、基本給21万+手当1万では将来の伸びが違います。
  • 処遇改善関連の手当・役職への道: 加算の配分方針と、副主任等へのキャリアパスがあるか。
  • 借り上げ社宅・家賃補助の有無と自己負担額。
  • 賞与の支給実績(何か月分か)。
  • 固定残業代の有無: 含まれている場合、何時間分かを確認。

まず現在地を数字で確認する

内訳の比較は一人では手間がかかります。保育分野に特化した転職支援サービスを使うと、給与の内訳や園の雰囲気など、求人票に出にくい情報を無料で確認しながら比較できます。

まとめ

手取りは額面の約8割が目安で、仕組み上、上げる方法は「額面を上げる」「社宅などの補助で支出を減らす」「働き方の実質を変える」の3方向に集約されます。処遇改善等加算の配分確認・借り上げ社宅・自治体補助・持ち帰り仕事の見直し・内訳の良い園への転職という5つのルートは、どれも今日から確認を始められるものです。まず給与明細と園の制度の確認から始めてみてください。

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出典・注意事項

本記事の統計数値の出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)。 金額は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」による推定で、10万円単位に丸めています。

掲載内容は一般的な傾向の解説であり、個別の年収や転職結果を保証するものではありません。 企業規模・地域・雇用形態・職務内容などにより大きく変わります。

算出手順の詳細は 算出方法と出典 をご覧ください。