厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)で「介護職員(医療・福祉施設等)」に分類される人の年収は、平均388.0万円です(平均年齢45.3歳・平均勤続9.0年)。毎月の「きまって支給する現金給与額」の12か月分に「年間賞与その他特別給与額」を足して計算しました。
年齢別に並べると、介護職員の年収は35歳以降は伸びがほぼ止まり、50代前半まで横ばいが続きます。この記事では、その推移と、全職種平均との差が年齢とともに広がっていく様子、勤め先の企業規模による違い、手取りの目安を、同じ統計の数字で確認します。処遇改善の手当の仕組みは「介護職の処遇改善手当はいくら?」、転職の進め方は「介護職の転職」の記事で解説しています。
介護職員の平均年収は388.0万円(月給27.77万円・賞与54.78万円)
介護職員の給与の内訳(全年齢・男女計)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(きまって支給する現金給与額) | 27.77万円 |
| うち所定内給与額(残業代などを除いた額) | 26.29万円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 54.78万円 |
| 年収(月給×12+年間賞与) | 388.0万円 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 45.3歳・9.0年 |
統計上の職種区分は「介護職員(医療・福祉施設等)」です。訪問介護従事者は別の職種区分のため、この記事の数字には含まれていません。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
表の月給は、税金や社会保険料を差し引く前の額面です。残業代に加えて夜勤手当のような手当も含まれ得るため、夜勤の多い人ほど高めに出やすい点を踏まえて読む必要があります。また平均値なので、一部の高い人・低い人の影響を受けます。対象は民営の事業所に限られ、公立施設で働く公務員の介護職員は含まれません。訪問介護従事者も統計上は別の職種として集計されているため、ここには含まれていません。
年齢別の年収: 35歳以降は50代前半までほぼ横ばい
介護職員の年齢別の月給・賞与・年収(男女計)
| 年齢階級 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 23.77万円 | 31.02万円 | 316.3万円 |
| 25〜29歳 | 25.93万円 | 46.43万円 | 357.6万円 |
| 30〜34歳 | 27.59万円 | 53.12万円 | 384.2万円 |
| 35〜39歳 | 29.31万円 | 62.63万円 | 414.4万円 |
| 40〜44歳 | 29.15万円 | 64.41万円 | 414.2万円 |
| 45〜49歳 | 29.32万円 | 62.03万円 | 413.9万円 |
| 50〜54歳 | 29.36万円 | 64.04万円 | 416.4万円 |
| 55〜59歳 | 28.12万円 | 56.85万円 | 394.3万円 |
| 60〜64歳 | 26.41万円 | 49.11万円 | 366.0万円 |
企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
年収が最も高いのは50〜54歳の416.4万円で、20〜24歳の316.3万円からの上がり幅は100.1万円です。20代から30代にかけては年齢とともに上がりますが、35〜39歳の414.4万円以降は、40〜44歳の414.2万円、45〜49歳の413.9万円、50〜54歳の416.4万円と、50代前半までほぼ横ばいです。月給・賞与とも、この年代では大きな変化が見られません。55〜59歳は394.3万円、60〜64歳は366.0万円で、55歳以降は下がる傾向があります。
なお、この表は同じ年に働く人を年齢別に並べた平均で、一人ひとりの年収の推移をそのまま示すものではありません。それでも、35歳以降は年齢を重ねるだけでは年収が上がりにくい傾向が読み取れます。
全職種平均との差は年齢とともに広がる
介護職員と全職種平均の年収(年齢別・男女計)
| 年齢階級 | 介護職員 | 全職種平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 316.3万円 | 361.4万円 | -45.1万円 |
| 25〜29歳 | 357.6万円 | 448.2万円 | -90.6万円 |
| 30〜34歳 | 384.2万円 | 507.3万円 | -123.1万円 |
| 35〜39歳 | 414.4万円 | 556.7万円 | -142.4万円 |
| 40〜44歳 | 414.2万円 | 594.7万円 | -180.5万円 |
| 45〜49歳 | 413.9万円 | 613.6万円 | -199.8万円 |
| 50〜54歳 | 416.4万円 | 633.9万円 | -217.5万円 |
| 55〜59歳 | 394.3万円 | 641.4万円 | -247.1万円 |
| 60〜64歳 | 366.0万円 | 506.3万円 | -140.2万円 |
| 全年齢 | 388.0万円 | 545.6万円 | -157.5万円 |
企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。差は四捨五入前の値から計算しています。出典: 介護職員=厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120 / 全職種平均=同調査 一般労働者 表1「学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」(学歴計) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040420843
20〜24歳の時点で、介護職員の年収は全職種平均より45.1万円低い水準です。その差は25〜29歳で90.6万円、30〜34歳で123.1万円、40〜44歳で180.5万円、50〜54歳で217.5万円と年齢とともに広がり、55〜59歳では247.1万円になります。60〜64歳は全職種平均の側も下がるため、差は140.2万円に縮まります。全年齢の平均で比べた差は157.5万円です。
差が広がるのは、年齢とともに上がる幅が全職種平均より小さいためです。20〜24歳から50〜54歳までの上がり幅を比べると、介護職員の100.1万円に対して、全職種平均は272.5万円です。
20代前半の時点ですでに差があり、その後の伸びも小さいため、年齢を重ねるほど全職種平均との差が積み重なっていく形です。介護職員の場合、年収を左右しやすいのは年齢そのものより、資格・夜勤・手当の配分・勤め先といった給与の中身の側だと考えられます。
勤め先の企業規模による差は最大32.4万円
介護職員の年収(勤め先の企業規模別・全年齢・男女計)
| 企業規模 | 平均年齢 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|---|
| 10人以上の計 | 45.3歳 | 27.77万円 | 54.78万円 | 388.0万円 |
| 1,000人以上 | 43.5歳 | 29.20万円 | 49.88万円 | 400.3万円 |
| 100〜999人 | 45.0歳 | 28.09万円 | 60.01万円 | 397.1万円 |
| 10〜99人 | 46.5歳 | 26.62万円 | 48.41万円 | 367.9万円 |
企業規模は勤め先の法人全体の常用労働者数による区分で、施設の定員とは別です。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
年収が最も高いのは1,000人以上の400.3万円、最も低いのは10〜99人の367.9万円で、差は32.4万円です。1,000人以上は月給が高めで、100〜999人は賞与が多めという違いがあり、10〜99人は月給・賞与ともに低めです。
なお、企業規模は施設ごとの定員や広さではなく、運営する法人全体で働く人の数で分けた区分です。小さな施設でも、大きな法人が運営していれば1,000人以上に数えられます。35歳以降は年齢による年収の差がほとんど見られないことを考えると、この年代では年齢よりも勤め先の違いのほうが年収に表れやすい可能性があります。ただし平均同士の比較なので、実際の条件は施設ごとに求人票や面接で確認してください。
手取りの目安は月20.8〜22.2万円
平均の月給27.77万円を額面とすると、健康保険・厚生年金などの社会保険料と、所得税・住民税が差し引かれた手取りは、額面の75〜80%程度が目安で、月20.8〜22.2万円になります。実際の額は、扶養する家族の有無、住んでいる自治体、前年の所得によって変わります。介護職員の場合は夜勤手当なども月給に含まれ得るため、夜勤の回数が多い月とそうでない月で、手取りに差が出ることもあります。
年収を上げるために確認したいこと
- 資格による手当: 介護福祉士や実務者研修の修了など、資格に応じた手当や基本給の区分を設けている職場があります。資格を取ったときに給与のどこがどう変わるかを、勤め先や求人票で確認します。
- 夜勤の有無と回数: 夜勤のある職場では、夜勤手当が月給を押し上げやすくなります。一方で生活リズムや体力の負担もあるため、回数と手当の額をあわせて確認します。
- 処遇改善の手当の配分: 国の処遇改善の仕組みによる手当が、基本給・手当・賞与のどこにどう反映されているかは職場によって異なります。確認の方法は「介護職の処遇改善手当はいくら?」で詳しく解説しています。
- 施設の種類と運営法人: 入所施設か通所施設かといった施設の種類や、運営する法人によって、給与の体系や賞与の算定方法は変わります。上の企業規模別の表のように、法人の規模によって月給と賞与の比重が異なる傾向も見られます。
- 求人の内訳を比べる: 月給の総額が同じ求人でも、基本給が厚いのか手当で積み上げているのかで、賞与や昇給の見通しが変わりやすくなります。総額だけでなく内訳を並べて比べます。
給与の内訳や夜勤の回数、手当の配分は施設によって差が出やすい一方で、求人票の情報だけでは比べにくいことがあります。介護職に特化した転職支援サービスなら、こうした内訳を担当者に確認しながら複数の求人を比較しやすくなります。
まとめ
介護職員の平均年収は388.0万円で、35歳以降は50代前半までほぼ横ばいが続き、最も高いのは50〜54歳の416.4万円です。全職種平均との差は20〜24歳の45.1万円から55〜59歳の247.1万円まで広がり、年齢を重ねるだけでは縮まりにくい傾向があります。一方、勤め先の企業規模による差は最大32.4万円あり、資格・夜勤・手当の配分・勤め先の条件によって年収が変わる余地があります。年収を見直したいときは、まず自分の給与明細で基本給・手当・賞与の内訳を確かめ、ほかの求人の内訳と並べてみると、次に確認すべき点が見えやすくなります。