この記事で扱うのは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)の職種別データにある統計区分「機械技術者」(機械の設計・開発・生産技術などの技術者)の数字です。月給(きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間賞与その他特別給与額を加える方法で年収を出すと、平均659.0万円になります。年齢と勤続年数の平均は、それぞれ42.3歳と15.0年です。
年齢階級ごとに並べると、この職種の年収は20〜24歳から55〜59歳まで、階級が一つ上がるたびに高くなっています。一方で60〜64歳では大きく下がり、勤め先の企業規模によっても年収に開きが見られます。以下では、こうした特徴を表で順に確かめたうえで、手取りの目安と、年収を見直すときに確かめたい点をまとめます。
平均年収659.0万円のうち、年間賞与は153.36万円
機械技術者の給与の内訳(全年齢・男女計)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(きまって支給する現金給与額) | 42.14万円 |
| うち所定内給与額(残業代などを除いた額) | 37.59万円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 153.36万円 |
| 年収(月給×12+年間賞与) | 659.0万円 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 42.3歳・15.0年 |
統計区分「機械技術者」(機械の設計・開発・生産技術などの技術者)について集計された値です。同じ調査の表5には「輸送用機器技術者」「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」という別の職種区分があり、それらの数字はこの記事には含まれません。機械の組立・整備・修理・検査の作業についても、「はん用・生産用・業務用機械器具組立従事者」「機械検査従事者」などの別の職種区分があります。数字は業種を分けずにまとめた表(産業計)から取ったもので、どのような製品を扱う会社で働いているかによる違いは、この値からは分かりません。正社員か契約社員かといった雇用形態の違いも、この平均ではまとめて扱われています。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
月給42.14万円は、残業代などを除いた所定内給与額37.59万円に、残業や休日出勤などに対する支払いを加えた額です。年間賞与その他特別給与額の153.36万円は2024年の1年間に支給された賞与などで、月給と同じく、税金や社会保険料を差し引く前の額面です。
全年齢の平均659.0万円を次の年齢別の表に当てはめると、30〜34歳の592.0万円と35〜39歳の684.9万円の間にあたります。年齢階級によって年収の水準がかなり違うため、自分の年収と比べるときは、全体の平均よりも自分に近い年齢階級の値を目安にすると比べやすくなります。
20〜24歳の386.1万円から55〜59歳の842.2万円まで階級ごとに高く、60〜64歳で574.8万円に下がる
機械技術者の年齢別の月給・賞与・年収(男女計)
| 年齢階級 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 27.37万円 | 57.70万円 | 386.1万円 |
| 25〜29歳 | 33.50万円 | 103.31万円 | 505.3万円 |
| 30〜34歳 | 38.20万円 | 133.55万円 | 592.0万円 |
| 35〜39歳 | 43.53万円 | 162.55万円 | 684.9万円 |
| 40〜44歳 | 46.39万円 | 181.86万円 | 738.5万円 |
| 45〜49歳 | 48.61万円 | 191.60万円 | 774.9万円 |
| 50〜54歳 | 50.05万円 | 204.74万円 | 805.3万円 |
| 55〜59歳 | 52.17万円 | 216.11万円 | 842.2万円 |
| 60〜64歳 | 37.92万円 | 119.75万円 | 574.8万円 |
年齢階級ごとの値は、それぞれの年齢の人を同じ時期に集計した平均です。同じ人を何年も追いかけて調べた数字とは性質が異なります。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
20〜24歳から55〜59歳までは、どの年齢階級でも年収が一つ前の階級を上回り、最も高い55〜59歳の842.2万円は、20〜24歳の386.1万円より456.0万円高い水準です。月給は27.37万円から52.17万円へ、年間賞与は57.70万円から216.11万円へと、どちらもこの区間で前の階級を下回ることなく増えています。
上がり方を年代ごとに見ると、20代後半から30代にかけての伸びが大きく、25〜29歳で505.3万円、30〜34歳で592.0万円、35〜39歳で684.9万円になります。40代以降は一つの階級ごとの伸びが小さくなりますが、40〜44歳の738.5万円から50〜54歳の805.3万円を経て、55〜59歳の842.2万円まで上がり続けます。
一方で60〜64歳の年収は574.8万円で、表のなかでこの階級だけが一つ前の階級を下回ります。月給37.92万円は30〜34歳の38.20万円をわずかに下回り、年間賞与119.75万円も30〜34歳の133.55万円より少なく、年収・月給・賞与のいずれも30代前半に届かない水準です。この統計から理由は分かりませんが、この年齢階級には、雇用の契約や担当する仕事が切り替わった人の値が含まれている可能性があります。
全職種平均を上回る幅は55〜59歳の+200.8万円が最大、60〜64歳は+68.5万円
機械技術者と全職種平均の年収(年齢別・男女計)
| 年齢階級 | 機械技術者 | 全職種平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 386.1万円 | 361.4万円 | +24.8万円 |
| 25〜29歳 | 505.3万円 | 448.2万円 | +57.1万円 |
| 30〜34歳 | 592.0万円 | 507.3万円 | +84.7万円 |
| 35〜39歳 | 684.9万円 | 556.7万円 | +128.2万円 |
| 40〜44歳 | 738.5万円 | 594.7万円 | +143.9万円 |
| 45〜49歳 | 774.9万円 | 613.6万円 | +161.3万円 |
| 50〜54歳 | 805.3万円 | 633.9万円 | +171.5万円 |
| 55〜59歳 | 842.2万円 | 641.4万円 | +200.8万円 |
| 60〜64歳 | 574.8万円 | 506.3万円 | +68.5万円 |
| 全年齢 | 659.0万円 | 545.6万円 | +113.5万円 |
全職種平均は同じ調査の一般労働者全体(学歴計)の値です。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。差は四捨五入前の値から計算しています。出典: 機械技術者=厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120 / 全職種平均=同調査 一般労働者 表1「学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」(学歴計) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040420843
差は20〜24歳ですでに+24.8万円あり、そこから年齢階級が上がるたびに広がります。25〜29歳で+57.1万円、30〜34歳で+84.7万円となったあと、35〜39歳では+128.2万円になり、隣り合う階級どうしで比べると、この30代前半から後半にかけての広がりが最も大きくなっています。その後も40〜44歳で+143.9万円、45〜49歳で+161.3万円、50〜54歳で+171.5万円と広がり続け、55〜59歳の+200.8万円が最大です。
全職種平均も55〜59歳までは年齢とともに上がりますが、20〜24歳から55〜59歳にかけての上がり幅は280.0万円で、年齢別の表で見た機械技術者の456.0万円には届きません。
60〜64歳では、機械技術者が574.8万円、全職種平均が506.3万円で、差は+68.5万円まで縮みます。これは25〜29歳の+57.1万円と30〜34歳の+84.7万円の間の大きさです。全年齢をまとめた差は+113.5万円ですが、これは35〜39歳から55〜59歳までのどの年齢階級の差よりも小さい値で、年齢をまとめた数字だけでは、30代後半から50代の差の大きさは見えにくくなります。
勤め先の規模で並べると、1,000人以上745.5万円・100〜999人610.4万円・10〜99人525.4万円
機械技術者の年収(勤め先の企業規模別・全年齢・男女計)
| 企業規模 | 平均年齢 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|---|
| 10人以上の計 | 42.3歳 | 42.14万円 | 153.36万円 | 659.0万円 |
| 1,000人以上 | 41.7歳 | 46.55万円 | 186.92万円 | 745.5万円 |
| 100〜999人 | 41.5歳 | 39.07万円 | 141.51万円 | 610.4万円 |
| 10〜99人 | 45.3歳 | 36.34万円 | 89.30万円 | 525.4万円 |
企業規模は、勤め先の法人全体で働く常用労働者の数による区分です。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
1,000人以上と10〜99人を比べると、年収は220.1万円違います。3つの規模の並びは年収だけでなく月給・年間賞与も同じで、規模の小さい区分ほど値が低くなっています。職種全体の平均659.0万円は、規模別に見ると1,000人以上と100〜999人の間にあたる値で、100〜999人の610.4万円もこれを下回ります。
1,000人以上(平均41.7歳)と100〜999人(平均41.5歳)は、働く人の平均年齢がほとんど変わりません。それでも年収は745.5万円と610.4万円で、はっきりした開きがあります。10〜99人は平均45.3歳と3つの規模のなかで最も年齢が高い一方、年収は最も低い525.4万円です。
表の値は規模ごとの平均で、同じ規模の会社どうしでも給与の決め方は一社ずつ異なることがあります。応募先を比べる際は、規模の区分は目安にとどめ、月給と賞与の内訳を求人ごとに確かめてください。
平均月給42.14万円から計算した手取り: 月31.6〜33.7万円
月給42.14万円からは社会保険料(健康保険や厚生年金など)と税金(所得税・住民税)が引かれ、その残りが手取りになります。手取りの割合を額面の75〜80%程度と見込むと、月31.6〜33.7万円が一つの目安です。どこまで引かれるかは、扶養の有無、お住まいの市区町村、前年の所得の額によって前後します。
この手取りは毎月の給与についての目安で、年間賞与153.36万円の手取りは別に考える必要があります。また月給には残業代が含まれるため、設計の締め切りや設備の立ち上げなどで残業が増える月があれば、その月の手取りも変わる可能性があります。
機械技術者が年収を見直すときに確かめたい5つの点
- 経験の棚卸し: 機械技術者の仕事には、設計・開発・生産技術などの工程があります。どの工程を担当し、どのような製品や設備に、どこまでの責任を持って関わってきたかを書き出しておくと、求人で求められている経験と照らし合わせやすくなります。
- 月給と賞与の配分: 年収の総額が近い求人でも、月給と賞与の配分は会社によって異なることがあります。賞与は業績や評価によって増減する場合があるため、求人を比べるときは月給と賞与を分けて確かめ、前年の支給実績もあわせて聞いておくと見通しを立てやすくなります。
- 残業代と休日出勤の扱い: 求人によっては、一定時間分の残業代をあらかじめ月給に含める固定残業代の仕組みをとっていることがあります。工場の設備に関わる仕事で休日の作業がある場合は、休日出勤の手当や代休の扱いもあわせて確認しておくと、見かけの月給だけで判断せずに済みます。
- 扱う製品と会社の規模: この統計は業種をまとめた値のため、どのような製品を扱う会社か、自社製品の開発か受託の仕事かによる給与の差までは分かりません。一方、規模別の表では、年収・月給・年間賞与のいずれも勤め先の規模が小さいほど低い並びでした。転職先の候補を選ぶときは、事業の内容と規模の両方を手がかりにすると、条件の違いを整理しやすくなります。
- 昇格の道筋と定年前後の給与: 年齢別の表では、定年を迎える人もいる年代で年収が大きく下がっていました。管理職へ進む道と、専門の技術を深める道とで、評価や給与の決まり方が分かれている会社もあります。等級が上がったときの給与の変わり方や、定年後に再雇用などで働く場合の条件を早めに確かめておくと、将来の働き方を考える材料になります。
設計・開発・生産技術のどの経験が求められているかは、求人票の文面だけでは読み取りにくいこともあります。希望する工程や勤め先の規模がある程度決まっていれば、それを軸に求人を絞り込むと比べやすくなります。
まとめ
平均年収659.0万円の機械技術者(機械設計など)は、年齢階級別に見ると20〜24歳の386.1万円から55〜59歳の842.2万円まで途切れずに高くなり、全職種平均との差も55〜59歳の+200.8万円が最大でした。ただし60〜64歳では、年収が574.8万円、差が+68.5万円まで小さくなります。企業規模別では、1,000人以上(745.5万円)と10〜99人(525.4万円)の間に220.1万円の差がありました。自分の年齢階級と勤め先の規模に近い値を目安にしながら、月給と賞与の配分や定年前後の給与の扱いも含めて、いまの条件を確かめてみてください。