理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の年収は、平均で443.6万円です(平均年齢36.2歳・平均勤続8.4年)。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)の職種別のデータから、月給(きまって支給する現金給与額)の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足して計算しました。
年齢とともに年収はどこまで上がるのか、全職種平均とはどの年代で差が大きいのか。年齢別の推移から、全職種平均との比較、勤め先の企業規模による違い、手取りの目安まで、すべて同じ統計の数字で順に確かめていきます。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は443.6万円(月給30.99万円・賞与71.72万円)
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与の内訳(全年齢・男女計)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給(きまって支給する現金給与額) | 30.99万円 |
| うち所定内給与額(残業代などを除いた額) | 29.82万円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 71.72万円 |
| 年収(月給×12+年間賞与) | 443.6万円 |
| 平均年齢・平均勤続年数 | 36.2歳・8.4年 |
統計上は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士がひとつの区分(職種名「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」)で、この記事の数字はすべてこの区分の値です。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
表の月給は、残業代や各種手当を含んだ、税金・社会保険料を差し引く前の額面です。平均値のため、勤続の長い人や役職に就いている人など、一部の高い値に引き上げられている可能性もあります。また、統計の対象は民営の事業所に限られ、公立病院などで働く公務員の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は含まれていません。職種の区分には視能訓練士も含まれるため、数字はこれらをまとめた区分全体の平均として見てください。
年齢別の年収: 50〜54歳の548.8万円まで右肩上がり
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の年齢別の月給・賞与・年収(男女計)
| 年齢階級 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 25.39万円 | 32.84万円 | 337.5万円 |
| 25〜29歳 | 27.97万円 | 62.15万円 | 397.8万円 |
| 30〜34歳 | 29.82万円 | 73.69万円 | 431.5万円 |
| 35〜39歳 | 31.69万円 | 76.83万円 | 457.1万円 |
| 40〜44歳 | 33.32万円 | 82.29万円 | 482.1万円 |
| 45〜49歳 | 35.45万円 | 94.34万円 | 519.7万円 |
| 50〜54歳 | 37.77万円 | 95.56万円 | 548.8万円 |
| 55〜59歳 | 36.39万円 | 88.52万円 | 525.2万円 |
| 60〜64歳 | 39.68万円 | 116.44万円 | 592.6万円 |
60〜64歳は人数が少なく、値が振れやすいため、参考値として見てください。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
20〜24歳の337.5万円から50〜54歳の548.8万円まで、年収は211.3万円上がります。50〜54歳までは、どの年齢階級も一つ前の階級より年収が高く、月給は25.39万円から37.77万円へ、賞与は32.84万円から95.56万円へと、月給と賞与の両方が伸びて年齢とともに着実に上がる形です。55〜59歳は525.2万円で、50〜54歳よりやや低くなります。
20〜24歳の賞与が32.84万円と少なめなのは、賞与が前の年1年間の支給実績で集計されるため、働き始めて間もない人は満額を受け取っていないことが多いからだと考えられます。なお、60〜64歳は人数が少なく値が振れやすいため、この記事では年齢による傾向を読む対象から外しています。
全職種平均との差は40代前半にかけて開く
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士と全職種平均の年収(年齢別・男女計)
| 年齢階級 | 理学療法士等 | 全職種平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 337.5万円 | 361.4万円 | -23.9万円 |
| 25〜29歳 | 397.8万円 | 448.2万円 | -50.4万円 |
| 30〜34歳 | 431.5万円 | 507.3万円 | -75.8万円 |
| 35〜39歳 | 457.1万円 | 556.7万円 | -99.6万円 |
| 40〜44歳 | 482.1万円 | 594.7万円 | -112.6万円 |
| 45〜49歳 | 519.7万円 | 613.6万円 | -93.9万円 |
| 50〜54歳 | 548.8万円 | 633.9万円 | -85.1万円 |
| 55〜59歳 | 525.2万円 | 641.4万円 | -116.2万円 |
| 全年齢 | 443.6万円 | 545.6万円 | -102.0万円 |
理学療法士等は、統計上の区分「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」の値です。60〜64歳は人数が少なく、値が振れやすいため、この表には載せていません。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 理学療法士等=厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120 / 全職種平均=同調査 一般労働者 表1「学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」(学歴計) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040420843
20〜24歳では全職種平均を23.9万円下回る程度ですが、その差は年齢とともに広がり、40〜44歳では112.6万円になります。45〜49歳(93.9万円)と50〜54歳(85.1万円)ではいったん縮まり、55〜59歳で再び116.2万円に広がります。
20〜24歳から50〜54歳までの上がり幅で比べると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の211.3万円に対し、全職種平均は272.5万円です。年齢とともに着実に上がる職種ではあるものの、上がり幅が全職種平均より小さいことが、20〜24歳の時点より差が広がる理由です。年齢を重ねるだけで差が縮まるとは限らないため、職場の種類や役職、手当の内訳にも目を向ける余地があります。
全年齢の平均どうしで比べると差は102.0万円ですが、この比較には年齢構成の違いも含まれます。表の年齢階級ごとに比べると、差は23.9万円から116.2万円まで幅があり、年代によって大きく異なります。自分の年収と見比べるときは、年齢の近い階級の数字と比べるほうが実態に近い比べ方と言えます。
勤め先の企業規模による差は最大24.8万円と小さめ
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の年収(勤め先の企業規模別・全年齢・男女計)
| 企業規模 | 平均年齢 | 月給 | 年間賞与 | 年収 |
|---|---|---|---|---|
| 10人以上の計 | 36.2歳 | 30.99万円 | 71.72万円 | 443.6万円 |
| 1,000人以上 | 34.5歳 | 31.50万円 | 82.96万円 | 461.0万円 |
| 100〜999人 | 36.5歳 | 30.53万円 | 69.85万円 | 436.2万円 |
| 10〜99人 | 37.7歳 | 31.94万円 | 59.06万円 | 442.3万円 |
企業規模は勤め先の法人全体の常用労働者数による区分で、病院の病床数とは別です。企業規模10人以上の民営事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)・男女計の平均値。月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年間の実績で、いずれも税・社会保険料を引く前の額。年収は「月給×12+年間賞与」で計算した値です。出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者・職種 表5「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421120
年収がもっとも高い1,000人以上(461.0万円)と、もっとも低い100〜999人(436.2万円)の差は24.8万円です。20〜24歳から50〜54歳までの上がり幅(211.3万円)と比べると、企業規模による違いは小さめです。なお、ここでの企業規模は病院の病床数ではなく、勤め先の法人全体で働く常用労働者の数による区分です。
内訳には規模ごとの特徴が見られます。1,000人以上は平均年齢が34.5歳ともっとも若い一方で、賞与は82.96万円ともっとも多くなっています。10〜99人は月給が31.94万円ともっとも高いものの、賞与は59.06万円ともっとも少なくなっています。規模によって月給と賞与の配分が異なる傾向があるため、求人を比べるときは年収の総額だけでなく、月給と賞与の内訳も確かめておくと安心です。
手取りの目安は月23.2〜24.8万円
平均の月給30.99万円から社会保険料と所得税・住民税を差し引いた手取りは、額面の75〜80%程度が目安で、月23.2〜24.8万円ほどになります。実際の金額は、扶養している家族の有無、住まいの自治体、前年の所得などで変わります。また、この月給には残業代も含まれているため、残業の少ない月は手取りも少なくなりやすい点に注意が必要です。
年収を上げるために確認したいこと
- 職場の種類による給与体系の違い: 病院・クリニック・介護施設・訪問リハビリなど、職場の種類によって基本給と手当の組み立て方が異なります。訪問の件数に応じた手当を設けている職場もあり、同じ経験年数でも年収が変わる可能性があります。
- 役職・管理職: 主任やリハビリテーション科の科長などの役職に就くと、役職手当がつくことがあります。役職の数や手当の額は職場の規模や方針で異なるため、昇進の道筋もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
- 認定・専門の資格や研修: 認定理学療法士などの認定・専門の資格や、研修の修了が手当や評価に反映されるかどうかは職場次第です。取得を考えるときは、勤め先や応募先の制度を前もって確かめておくと安心です。
- 求人の内訳の比べ方: 求人票の年収が同じでも、基本給・手当・賞与の算定方法(基本給の何か月分か)によって、昇給や賞与の伸び方が変わることがあります。複数の求人の内訳を並べて比べると、違いが見えやすくなります。
職場ごとの給与の内訳や手当の仕組みは、求人票だけでは分かりにくいことがあります。リハビリ職に特化した転職支援サービスを使うと、条件の詳細を確認しながら複数の職場を比較しやすくなります。
まとめ
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は443.6万円で、20〜24歳の337.5万円から50〜54歳の548.8万円まで、年齢とともに着実に上がる傾向があります。ただし上がり幅は全職種平均より小さく、全職種平均との差は20〜24歳の23.9万円から、40〜44歳では112.6万円まで開きます。勤め先の企業規模による差は最大24.8万円と小さめのため、年収を変えたいときは、職場の種類・役職・手当や賞与の内訳を確かめて比べることが現実的な方法と言えます。まずは自分の給与明細で、基本給・手当・賞与の内訳を確認するところから始めてみてください。